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【14.01.06:rhivs-Alive@心斎橋Club Jungle】

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写真: 【14.01.06:rhivs-Alive@心斎橋Club Jungle】

写真: 【曼珠沙華乃国】 写真: 【墓標】

朔日草が盛りの時を過ぎても
変わらず夜の静寂を知らぬ
大阪は心斎橋。
Club jungleという箱で
rhivs2014の始まりを飾る
饗宴の宴は開かれた。

僕は今回、私事により
ライヴハウスへの到着が
かなり遅れたのだが、
閑散としたフロアーに少し
落胆と責任を感じた。
世間では正月休暇明け初日のライヴ…
なかなか集客も儘ならないとは
解ってはいたのだが。


さて、僕は目当てとする
バンドのステージを見る際、
陣取る立ち位置はほぼ中央
前から2〜3列目の辺りだろうか、
その位置に立ちて
特に不自由を感じた事は無く
僕にとっては其れが
"当たり前"であったのだが
今回、足を踏み入れた箱の
"ライブ"のみに特化された
ステージでは無いであろう造りに
嫌な思い出が蘇り、不安を憶える。

此れは今回のClub Jungleでの話では無く
別の或るライブハウスの話であり
rhivsではない別のバンドの話だが、
其の日の"音"は散々だった。
音の葉の"アタリ"を求め
会場内を処狭しと歩き回り
最後まで全く音に集中出来ない
欲求不満の儘終えた
落ち着かないライヴ…

"PAとの相性"という一言では
容易に片付けられぬ程、
耳に届く旋律の
アウトラインは酷くぼやけ
音圧が、"波動"が
腹に、胸に響かない…

紡がれし"世界"の入口、
固く閉ざされた扉の前で
途方に暮れる感覚に近い
そんなライヴを思い出した。


勿論、箱の形は様々で
それぞれの特性があり
PAの好みや特徴、
奏者のコンディションや
ステージ上での聞こえ。
そして受け手側の数や
好みや相性…

実に様々な不確定要素が
複雑に絡み合う前提で
1ステージ毎に"音の葉"というものが
繊細に築き上げられ、
それまで当たり前の如く
与えられていた音が
どんなに貴重なものであったかを
肌を以て明確に痛感したのは
其れが初めてだった。

識者に言わせるなら
"無知"も良い所であろうが
今思えば、僕にとっては寧ろ
コラムの質を上げる為の
"勉強"の好機だったのだと思う。

尤も、高い授業料には違いないが(苦笑)


さて、前置きが長くなったが
今回のrhivsライブ。
若干、『彼』の歌声が
聴き取り辛い様には感じたが
一旦、音の集点へと下がり
徐々に定位置へと戻りつつ
確認をすればそうでも無く、
僕とPAスタッフとの相性のズレ、
そして立ち位置での誤差という
範囲内だと納得した。

寧ろ位置を敢えて変えてみても
音に余りバラつきを感じ得ず
"波動"はきちんと届く。
此れはClub JungleのPAスタッフの技量と
rhivsの持つスキルのお陰であろう。

事前に歩き回り確認し
不安を更に重ねていた
其れ迄の演者とは
音の抜けが全く違ったのだ。


勿論、演者が己自身の耳で
己自身が放つ音というものを
フロアで確認出来る筈も無いが、
然し彼等には耳に聡い
彼等を良く知る
"第6のメンバー"
Tubo-Chang氏の存在が在る。

フロアーを少しずつ移動し
耳に届く"音の葉"を感じ乍ら
此のアドバンテージはやはり
大きいと感じたひと幕だった。
先ずは隠れた第6の男、
Tsubo-Chang氏に感謝を述べたい。

そして何よりも
埋め切れないジレンマの如き
繊細で難解なる"誤差"を、
"証"達の持つ元々のチカラを増幅し
超越するだけの"音の葉"を以て
空間に放ち尽くした彼等に
心から感謝したい。


以前のコラムで僕は述べたが
此処に若干の修正を。
彼等の爆音には"築き上げ、包む"という
"言の葉"こそ相応しい。

『立体切り絵』というものを
皆様はご存知だろうか?
そう、平面な絵柄の
ひとつひとつのパーツを計算し、
幾重にも同型の紙を重ね
浮き上がる様な立体感を
持たせて魅せる
アートワーク手法のひとつである。

彼等は其の"単音"では
何の意味をも持たぬ
ひとつひとつの"音"(ね)に
深みある音、アプローチで
"役割"を持たせ
更に旋律を重ね、積み上げ
互いに紡ぎ合う事で
彼等が描き出さんとする
"世界観"に深き奥行きを持たせ、
"躍動する"という音の性質を利用し
鮮やかに情景を動かし始めるのだ。

彼等の音の葉の"世界"が
"映画"の如く感じるのは
此の徹底された"意識"が
要因のひとつなのではと
僕は勝手に決めつけている。


強固な巌、剥き出しの石組み
尚且つ時に繊細さを魅せる
重厚なるドラムのリズム。

ややディレイ気味に奏でられ
時に鮮やかに歪みドライブする
リードギターの奏。

暴れる奔流をきっちりと要所で締めてくる
くっきりとした"影"を落とす
ベースの奏。

不協和音をアクセントとして
時折織り混ぜ乍らも
空の高みを創造せし
通るシンセの奏。

そして其の幅のある厚みを増した音に
やや突っ込み気味に"熱"を乗せ
加速する情感豊かな
サイドギターの音色…

何よりもステージを与えられ
活き活きとした
『彼』の悦びの刹那が
留まる事無き"唯一無二"の
歌声に孵され、
グルーヴと絡まり
縒り合わされ"光"と化し、
"情景"を照らし出し

僕の耳に"福音"は届く…

受け止める僕に
"悦び"が無い筈が無い。

…彼等の放つ音の葉は
幾度言の葉を重ねども
著すのは非常に難しい。


然し彼等の総てを
手放しで誉め讃えるだけでは
コラムニストとしての
役割を成さない。
今、僕にはひとつ、
rhivsについて
見極めたい事項がある。

キーワードは"mask"

唯、皆様には申し訳ないのだが
今此の場で明確に
言の葉に孵し記せる程
未だ僕の中ではっきりと
形を成している訳では無い。
今後も彼等のステージを
フロアより見守り乍ら
何れは見極め
くっきりとした形を
見出したいと思う。


受け手が感じる良い"音の葉"とは
奏者の経験と技量、
"音の葉"との相性、好み、
プラス演者の放つ想いの
チカラの強さだろう。

ましてや混み合う
ライヴイベントともなれば
オーディエンスは容易に
立ち位置を変更出来ない。

それでも尚
『より良き音を、良き刹那を』と願うは
受け手側の贅なる特権。
例え立ち位置が悪くとも
音響スタッフの腕が悪くとも
其の刹那に放たれた音の葉を以て
放ったバンドの"価値"を決めるのは
常にオーディエンスである。

此の我が儘なる受け手達
総てを満足させるのは
非常に難題かとは思うが、
どうか飽くなき探求心を以て
オーディエンスに届く音を
"意識"して頂きたい。
此の場を借りて総てのバンドに
お願いしたいと思う。

そして其の期待に
常に十二分に応え
共に僕を"書き手"として
成長を促してくれている
rhivsというバンドに
巡り逢えた"僥倖"に
心から感謝し

そして此れを読む
未だ彼等のステージを知らぬ人々にも
壮大に描かれた"音の葉"に
空間一杯に冴え渡る"Movie"に
是非巡り逢って欲しいと願う。

次回のライヴは1/31、
rhivs結成一周年という
記念すべきライヴイベントが
南堀江ZEROにて行われる。

一年前、不安を隠せない儘
僕が初めて描いた
コラムを改めて思い返し、
此れ程までに"進化"した
バンドはないであろうと
正に頬の緩む思いである。

一年前を知る者も
一年前を知らぬ者も
是非、足を運び
"言の葉"では語り尽くせぬ
此の"刹那"を体感して欲しい。

彼等は今も走り続けている。

【14.01.06:rhivs-Alive@心斎橋Club Jungle】 http://twitter.com/myproud_0117

タグ: column rhivs

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